続 南アフリカワインの説明

南アフリカ共和国のぶどう栽培面積は10万ha、ワイン生産量は1,000万hlです。その気候は、東はインド洋、西は大西洋に面し、北部の一部亜熱帯地方を除いて温暖な地中海性気候で、ぶどう栽培に適した気候帯をあらわすワインベルトに入っています。日照時間も豊富で、降水量も500mm〜550mmとぶどうの栽培に適しています。土壌は沿岸部の平野では砂岩質、東の山脈の斜面では花嵐岩質となります。ワイン生産のほとんどがウェスタン・ケープ州で行われています。

栽培されるぶどうは、赤ワイン用としてはハーミタージュ(シラーズ)、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノタージュ、メルロー等で、白ワイン用としてはリースリング、シュナン・ブラン、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランなどが中心に栽培されています。シュナン・ブランはフランス・ロワール地方で栽培されているものと同じで、別名スティーンと呼ばれ栽培量が一番多く、ブランデーの原料品種ともなっています。80年代からフランス系品種が増加してきました。

南アフリカ特有の品種ピノタージュはピノ・ノワールとサンソーを交配してできたもので、程よいコクとスパイシーさをもつワインになります。黒ぶどうではカベルネ・ソーヴィニヨンに次いで栽培量も多く、良質なワイン原料となります。ワインの産地はウエスタン・ケープ州の中でもコースタル・リジョンと呼ばれる沿岸地域が特に評価が高く、ステレンボッシュやパール、コンスタンシ了などが含まれます。古くはヨーロッパの王侯貴族にも愛されたミュスカ・ド・フロンティニャンの遅摘みによって造られた甘口ワインはコンスタンシア地区産です。

ぶどう栽培家の9割が所属するKWV社が南アフリカのワイン産業の指導的な立場をとり、品質の向上と生産の安定を目指してきましたが、近年はエステートと呼ばれる小規模な生産者においても、優れたワインを造るようになってきました。南ア産ワインの世界的な評価の高まりとともに海外からの投資も増え、輸出量が急激に増加しております。

 

南アフリカのワインメーカーの紹介

KWV社

1659年2月2日、オランダ人が移住してきてから7年後に初めて、ワインが造られました。ぶどうの苗木はフランス西部から持ち込まれたと言われています。1685年には統治者であったサイモン・ファン・ダー・ステルが現在のケープ・タウンの近くであるコンスタンシアに最初のエステートを築きました。その3年後には200名ものワイン造りに熟達したフランス・ユグノー教徒の移住があり、一気にワイン産業は発展します。ところが、1800年代はうどん粉病やフィロキセラの流行で、ぶどう園は大きなダメージを受けます。やがて復活した南アフリカのワイン産業は、グローバル化の中でより洗練され、今日の形態に近いものとなって行きました。

そうした流れの中で、1918年、ワイン産業の安定を求めて、ぶどう栽培農家によって共同組合であるKWVが設立されました。これは一部のエリアで過剰生産となってしまったぶどうの生産をコントロールする目的でスタートしました。

1925年には南アフリカワイン産業において画期的な出来事がありました。KWVの支援のもと、長年研究を行ってきたペロード教授がピノ・ノワールとサンソーの交配に成功し、ピノタージュという南ア独特のぶどう品種を生んだのです。ピノタージュはその後、栽培面積を広げ、南アでは無くてはならない品種となっています。また、1957年には始めて冷却濾過が採用され、その後のセミ・スイートワインや60年代の赤ワインブームヘとつながります。

1973年には原産地統制呼称制度が設けられ、産地や生産年度、品種などの規制が始まり、正確なラベル表示が求められ、原産地が明確になりました。このような流れの中で、KWVは南アフリカのワインやブランデーの最大の輸出者として業界のスポークスマンであり、指導者であり、そして生産やマーケティングの先駆者の役割を担っており、現在でも4500の農家が加盟しています。さらに政府機関とも緊密な連携を取り、南アフリカ産業のリーディングカンパニーとして大きな役割を果たしていますが、昨今は販売会社を設立し、KWVワインの普及に成功しています。

主な輸出先はイギリス、オランダ、ドイツ、ベルギー、カナダ、アメリカ、日本などを含めた30カ国以上にのぼります。一般的にぶどう品種の個性をよくあらわしたワインが多く、安定した品質の求めやすい価格の商品が中心です。又、プレミアムレンジとして紹介されているカセドラル・セラーは同社のフラッグシップとなるワインで、その品質の高さから、世界中のコンテストで多くの賞に輝き、KWVの技術を世界に知らしめるワインとなっています。さらにラボリーと呼ばれるエステートを所有し、1996年から設備を新しくして大幅な品質の向上を図っており、今後が楽しみとなっています。

南アフリカ共和国南西海岸沿いのコースタル・リジョンと呼ばれる地域は、南緯34度の温暖な地中海性気候に位置し、ぶどうの生育に適した豊かな陽射しと土壌に恵まれています。KWVはその恩恵を最大限に受けて、質の高いケープワインを造りつづけています。

 

 

ステルンボッシュ・ファーマース、ワイナリ一社

南アフリカワインの中心生産地のひとつステルンボッシュにある、世界有数のワイナリーです。1935年創立、約3,000ヘクタールの自社畑と、数多くの契約畑から収穫される良質のぶどうだけを使い、オランダ総督府時代からの伝統技術と最新の生産システムにより、高品質な南アフリカワインを生産しています。同社のプレジール・ド・メールはシャトー・マルゴーの取締役、Dr.ポンタリエ氏をコンサルタントに招き、同社の理想のワインを実現した高級ブランド。また、ネダバーグは、様々なコンテストで賞に輝いています。

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